メールでリフォーム
工房のホームページをご覧になり、遠方のご新規様から、ジュエリーリフォームのご依頼がたくさん来ます
そのため、メールだけでジュエリーリフォームが完成することも多々あります
初めてのお客様とのメールでのコミュニケーションは、対面でお話しすることとも、電話でお話しすることとも違います
強いて言うなら、お手紙に近いのかもしれません
文明の利器を使って、昔流行った文通をしているようなものかも
お客様のお顔やお姿が分からない分、想像力が働き、どなたも、女優さんやモデルさんのようなお顔になって頂いております
そして、何回もメールのやり取りして、お互いの気心が知れてくると、完成時には、十年来のお客様のような感覚になりますよ
<初めまして、リングリフォームを考えていて偶然HPにたどり着き、数々の過去の事例に魅せられた○○と申します>
と、東京都内のT様からご相談メールが入りました
お手持ちのパールリングとハーフエタニティリングを利用して、「爪にダイヤを灯すパールリング」か、「着せ替えペンダント」が作りたい とご希望
<成人したとき、両親がプレゼントしてくれた思い出の真珠の指輪 これを活かして、何とかもう一度、気に入るように作り替えたい>とのこと
現品をゆうパックで送って頂きました
アコヤ真珠の指輪は、外から見る限り指輪にもペンダントにも出来る品質のようです
ハーフエタニティは、メレダイヤが11個 充分綺麗です
ただ、ご希望のデザインの、「爪にダイヤを灯すパールリング」を作るとすると、エタニティのダイヤをウデに着けるには、この真珠は少し小さい
また、着せ替えペンダントを作るとすると、このエタニティのダイヤはジャケットには大きすぎます
これらの情報と共に、もう少し大き目のパールを入れた場合の代案も含めメールでお伝えしました
メールでお返事があり
何となく、真珠とメレダイヤの組合せについて納得できないご様子
ここで少し別の角度から、デザインとお手持ち品の再利用についてメールしました
<お客様の作りたい方向が決まると、デザイナーは主石が一番きれいに見えるデザインをします
その場合、お手持ち品のメレダイヤの品質と大きさが、主石デザインのイメージに合えば出来る限り再利用します
でも、大きさや品質が少し合わない場合は
「デザインを優先しますか、それともお手持ち品を優先しますか」と言うことになります
デザインを優先する場合は、大きさや品質の合うメレダイヤをこちらでご用意して作ることになります
この場合、ご負担が増えますが、デザインのイメージ通りのものが出来ます
また、お手持ちメレダイヤを使ってほしいと言われる方には、それも出来ます
ただその場合は、イメージとは少し違ったものになることをご承知いただき作ることになります>・・略
と、長~いメールをする
実は、この辺りが、ジュエリーリフォームで一番神経を使うところで
お客様も一番迷われるところなんです
デザインを優先するのか、お手持ち品を優先するのか
勿論、最初から全然合わない場合は、「合いません」と、お断りする以外ないのですが、微妙な場合はどなたでも迷いますよね
他店で、その辺りの説明のないまま作ってもらい、後悔している方も多いようです
T様も若干そんなご様子が伺えます
だからこそ、
<アンバランスを承知の上で進めたら、きっと後悔することになるでしょうから、プロの視点から忌憚の無いアドバイスを・・>
と言っておられるのだと思います
どちらにされるにしても、その範囲内で出来る限りいい物を作る努力をすることは言うまでもありません
でも、デザインのイメージを優先して作ったお客様の方が、後々リピーターとなり、お友達をご紹介して頂けることが多いのは事実です それだけ気に入って頂いているのでしょうか
その後T様から、迷いが吹っ切れたようで、お返事がありました
<手持ちの真珠は、馬蹄型のペンダントに仕立ててください>
こうして、イメージ優先で完成したのが、この馬蹄型の着せ替えペンダントです
長身のT様に合わせ、バランスの範囲内でジャケットは出来る限り大きく見えるように工夫しています
真珠をリング枠から外すと、底部分がカットされていたハプニングはありましたが、ほぼイメージ通りにできました
その後、ゆうパックで納品メールでお返事いただきました
<第一印象は、「真珠、すっかり生き返ったなぁ」です。・・・・>
お礼のメールを送ると、お返事
<・・・今度は気兼ねなく普段使いできるような石で、インナーピースをお願いできるといいなぁと早くも願っているところです。是非また相談に乗ってください。>
嬉しいですね
このお言葉が、わが工房の最高の勲章です
いつでもご相談下さい、お待ちしております
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