まだ見せておりません
パールリングを真珠のペンダントにリフォーム
箕面市のO様のお宅で、パールのイヤリングを片方無くした方の残りの一個でペンダントを作って納めた話をしていると、
「そうそう、うちにも使わない真珠の指輪があるわ」と出してこられました。
それはアコヤ真珠の9ミリ珠の金枠リングでした。
「どうします?」と聞くと「金よりも本当はプラチナのペンダントがいいのだけれど・・出来ます?」とのこと。
勿論、18金枠からパールを取り外して、プラチナのペンダントに作りかえることも出来ます。
どんなデザインがお好きなのか伺い、今までに作ったオリジナルペンダントのお話をしていると、中石が取り替えできるペンダントのハッピーサークルが気に入ってもらいました。
この着せ替えペンダントには、13グラム位の地金が必用なので、「他にいらないプラチナ製品があれば、それを使うこともできますが?」と聞くと、
「プラチナのリングがあるから、溶かして使って」と小さな角ダイヤが5石入ったプラチナリングを持ってこられました。
それらをお預かりして帰って、早速デザイナーさんと打ち合わせしました。
お預かりしたパールに最もふさわしいハッピーサークルになるように形や大きさを決め、実物大の精密デザイン画を起こします。
ハッピーサークルなどの着せ替えペンダントで最も重要なことは、外枠のサークルと中石のパールとの間の透けて見える空間をいかに綺麗に見せるかです。
その空間が空きすぎて間延びしても、詰まり過ぎて窮屈になっても、また、中石の位置が上すぎても下すぎても、いい作品にはなりません。
すばらしい作品になるかならないかは、絶妙な隙間をデザインすることが勝負です。
サークル枠の中に丸い中石を入れる場合、大粒の南洋真珠や小さくても存在感のあるダイヤなどの場合は、サークルの中心点に中石を持ってきて、空間が均等なドーナッツ形になったとしても、デザイン的にはOKなのです。
しかし、今回のような9㍉パールの場合は、中心点にパールを持ってくると、空間が単調で間延びして全体的に貧弱になり、あまり見栄えがしません。
そこで、今回はサークルの上下の巾を変えて、上は下よりも細くしてグラデーションをつけ、パールは中心点よりも若干上に来るように新しいデザインにしました。
サークル自体も、サークルとパールの間に出来る空間も少し三日月形になります。
これで、単調さがなくなり空間に変化が出て、パールの納まりも良くなります。
そして次は、お預かりしたプラチナリングの角ダイヤをどうするかです。
角ダイヤは、直線上に並べてレール留めすることには向いていても、曲線のサークル上に並べてに使うには無理があります。
また、パールのバチカン(環ーチェーンを通す部品)に角ダイヤ一個入れようとしても、大きすぎてバランスが悪くなります。
何とか利用できないかと、角ダイヤ四個を菱形にセットしそれを一個として、パール以外の着せ替え用の中石として使えないかと考えましたが、この角ダイヤが全部縦長なので、四個寄せても正方形にならず不細工になります。
結局、無理に使って中途半端に妥協するよりも、今回、この角ダイヤは使わずデザインを優先することにしました。
後日、お客様に完成したデザイン画をご覧頂き、見積額と今回は角ダイヤを使わない旨を了承してもらいました。
約二ヵ月掛かって手作り作品が完成しました。
一緒に、着せ替え用の中石として、オパールのトップも作りました。
月末に納品予定ですので、お客様にはまだ見せておりません。
できばえのいい作品が出来たときは、納品が本当に楽しみですよ。
今回のバージョンは作品の完成度が高いので、ハッピーサークルの姉妹品として、宝石工房ながおの定番オリジナル作品に追加することにしました。
名付けて、着せ替えペンダント・ハッピームーン。
セットでも単体でも着けられます
次はあなたのハッピームーンが誕生するかも・・・
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